再生医療等製品の安全性評価Contract Studies of Safety Evaluation Regenerative Medicine Products

再生医療等製品の安全性評価(造腫瘍性)の受託試験

ヒト組織由来幹細胞やヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを原材料として再生医療等製品を製造し、再生医療・細胞治療へ応用しようとする試みが、国内外で進んでいます。ヒトiPS細胞などの多能性幹細胞は生体内に移植された際に奇形腫等の腫瘍を形成する能力、いわゆる“造腫瘍性"を有しています。すなわちヒト幹細胞を原材料とした再生医療等製品においては、末分化細胞の混入・残留による腫瘍形成や癌化を防止するために、造腫瘍性を評価することが非常に重要となります。当センターでは、「文部科学省橋渡し研究戦略的推進プログラム」の支援を受けて、信頼性保証レベルによる培養細胞の造腫瘍性試験の実施体制を整備し、学内外からの試験の受託研究を行っています。

軟寒天コロニー形成試験

細胞培養過程で、形質転換した細胞は正常細胞と異なり、接着せずに増殖する足場非依存性増殖が可能となります。この 特性を利用して形質転換細胞を検出するのが、軟寒天コロニー形成試験です。

〈試験概要〉

細胞 被験物質
陽性対照物質 HeLa(ヒト子宮頸部癌細胞)
陰性対照物質 MRC5(ヒト胎児肺由来正常二倍体繊維芽細胞)
試験方法 0.6%濃度の栄養寒天層に0.4%濃度の細胞寒天層を重層し、培養開始3週間後に足場非依存性の腫瘍細胞が形成するコロニーを染色し、カウントする。

造腫瘍性試験

重度免疫不全動物(NOGマウス)又はヌードマウスは、異種の細胞に対する拒絶反応を起こさないため、移植細胞の生体内での生着、分化、増殖が評価できます。この特性を利用して、NOGマウスもしくはヌードマウスの皮下に被験物質(培養細胞)を移植し、その造腫瘍性を評価できます。

〈試験概要〉

使用動物 NOD/Shi-scid、IL-2RϒKOJic(NOG)またはヌードマウス雌、6週令
入手動物数 25匹(被験物質及び陽性対照各n=10、馴化期間中の体重測定により群分け後、剰余動物5匹はモニタリングマウスとして使用)
細胞投与経路及び回数 腹側部皮下、単回投与
細胞投与数 1.0×107cells
被験物質 微生物検査(無菌試験、マイコプラズマ否定試験、エンドトキシン試験)
陽性対照細胞 HeLaS3(ヒト子宮頸部癌細胞)
試験内容の詳細については、御希望に応じて個別に御相談させていただきます。