令和8年度より、前任の山本洋一先生(大阪大学)に代わり当課題の研究開発代表者を務めさせていたくこととなりました。代表者交代にあたりご挨拶を申し上げます。
再生・細胞医療・遺伝子治療は、既存の医薬品や医療機器による治療では得られない画期的な有効性への期待が大きい一方、新たな医療技術であるがゆえに、その医学的・科学的な根拠の十分な説明や、未知のリスクや負担などの懸念に関する適切な配慮が必要です。またその実用化には、患者さんやご家族のご理解とご協力、ならびに市民の方々や社会の支持が不可欠です。
そのため私たちが担う倫理・社会共創課題(C課題)は、再生・細胞医療・遺伝子治療の実用化に向けた倫理面の課題への対応と社会共創の推進について、以下の「支援」と「研究」の2つの柱で取り組んでいます。
第1の柱である「支援」においては、AMED再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラムの各研究に従事する研究者等からの相談や、本プログラム関係者からの依頼に応じて、研究の推進や将来の社会実装に向けた倫理面の課題把握とその克服、ならびに社会共創の推進への取り組みの支援を行っています。また、教育研修等の実施を通じて、倫理・社会共創の実践を担う人材の育成を図り、プログラム全体の基盤を支えてまいります。
第2の柱である「研究」においては、再生・細胞医療・遺伝子治療に関わる国内外の規制や各種の政策・社会基盤等の調査、ならびに国内における課題の分析とその解決に向けた検討を行っています。特に、新規性の高い再生・細胞医療・遺伝子治療領域の推進においては、新たな展開を支えるためにELSI(倫理的・法的・社会的課題)に関する多角的な考察が必要であり、これらへの取り組みを深めることにより支援の拡充を図ります。
本課題の実施を通じて、私たちは再生・細胞医療・遺伝子治療における倫理性の確保および向上を目指すとともに、社会共創の推進を図り、この新たな医療技術の可能性の実用化に貢献してまいります。
今後とも引き続き皆様のご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
再生・細胞医療・遺伝子治療研究実用化支援課題(倫理・社会共創課題)
研究開発代表者(令和8年度〜)
慶應義塾大学病院臨床研究監理センター
教授 神山 圭介
新たな治療法の開発は、今までのような医薬品や医療機器だけでなく、「再生・細胞医療・遺伝子治療」といった新たな手法(モダリティー)が試みられています。この分野は、これまで治療法がなかった患者さんにいち早く治療法を提供できる可能性が示唆されており、今後急速な発展が期待されています。一方で、こうした革新的な治療法の開発には、今まで以上に、社会の皆さんのご意見を拝聴し、国内外の情勢を踏まえた上で社会とともに開発していくことが求められます。
私は、令和6年度から日本医療研究開発機構「再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム 再生・細胞医療・遺伝子治療研究実用化支援課題(倫理・社会共創課題)」を担当するにあたり、全国10の大学や医療機関からARO(アカデミアにおける臨床研究支援組織)経験者、倫理の専門家、倫理審査委員会委員・事務局経験者、この分野の有識者等、第一線で活躍中のメンバーで構成する班を立ち上げ、学会や企業とも連携体制を構築し、倫理・社会共創課題に対して迅速に対応するとともに調査研究する体制を構築しました。このような総合的な支援体制は今までになく、我々にとってもチャレンジングではありますが、社会とともにこの分野の育成に関わっていきますので、当班を活用いただくとともに、忌憚のないご意見を賜れば幸いです。
再生・細胞医療・遺伝子治療研究実用化支援課題(倫理・社会共創課題)
研究開発代表者(令和6年度・令和7年度)
大阪大学大学院医学研究科
特任教授 山本 洋一

