細胞培養調整施設(CPC)Cell Processing Center(CPC)

未来医療センター 細胞調製施設
MTR Cell Processing Center (MTR CPC)

未来の細胞・遺伝子治療の開発を目指す研究者の皆様へ、医師主導・企業治験に用いる高い品質の細胞加工物の製造にも利用可能な環境を提供します。治験薬GCTPレベルの管理基準のもと、国内随一の製造実績を有し、研究者の高いニーズに応えるべくiPS関連製剤の製造をはじめとする高度な技術を要する案件に対応出来るきめ細かなサービスを提供しています。
MTR CPCは未来医療を創造します!

大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部未来医療センター

I.構造設備

6つの開放系、2つの閉鎖系(合計3台の細胞加工アイソレーター(CPI)を設置)細胞加工ユニットを整備。学内外からの多様なニーズに幅広く対応できるように常に設備強化に取り組んでいます。各機器類の運用手順書を整備した上で、保守・管理を強化すると共に、器機バリデーションの徹底した実施と、トレーサビリティーを確保した記録管理を実施しています。 施設運用に於いて医師主導・企業治験にも適応した製造・品質保証システム(QMS体制)の構築を行うと共に、品質向上へ向けた様々な試みを行っています。

Ⅱ.環境モニタリング

MTR CPCの施設全体が24時間環境モニタリングシステムにより監視が行われています。各室内の浮遊粒子数、温度、室圧、入退室管理、インターロック機能のみならず、製造に重要となる機器類CO2インキュベーター(温度、湿度、CO2濃度、他)、フリーザー(温度等)、液体窒素保管庫(温度、残量等)、安全キャビネット(浮遊粒子数等)についても連続モニタリングを実施し、異常時には自動メール配信がなされることで、安定した施設運用を実施しています。

Ⅲ.工程管理システム

煩雑なCPC記録文書類の管理に対し、工程資材・原材料の入庫から最終製造物の出荷に至る一連の作業工程を、専用のコンピュータ化システムバリデーション(FDA 21CFR Part11)に対応した工程管理システムを導入する事により、コンピューター一元管理によるペーパーレス化を実現しています。これにより、製造工程で用いる機器類、原料、工程資材等は全てバーコードにて管理されることで、取り違えを防止し、トレーサビリティーを確保した記録管理を行っています。この指図・記録書を環境モニタリングデータと一体化して出力することにより、薬機法に定められる品質保証に必要な文書を提供しています。

Ⅳ.文書体系

再生医療等安全性確保法を遵守した施設運用文書体系を整備し、治験用細胞加工物製造にも対応した文書体系を完備しています。その上で、各プロジェクトに於いて整備が必要となる様々な製造・品質管理関連の文書類(製品標準書、基準書、手順書、指図記録書等)の作成支援も提供しています。また、特定細胞加工物や再生医療等製品の原材料の取扱いの妥当性や、製造工程、品質試験に関する技術相談にも対応させて頂いております。

Ⅴ.品質検査

MTR CPCでは製造管理部門と独立して品質管理部門を設け、品質検査室とP2感染症検査室を併設しています。品質検査室ではMTR CPCで製造される細胞加工物や製品の品質管理試験専用に利用頂いております。P2感染症検査室では、日本薬局方に適応した無菌試験、マイコプラズマ否定試験、エンドトキシン検査を実施・受託しています(迅速試験法にも対応)。

Ⅵ.保管・搬送

MTR CPCで取り扱う特定細胞加工物や再生医療等製品並びに製造に用いる原材料に対しては、連続環境モニタリングシステムによるトレーサビリティーを確保した一時保管管理を提供しています。また細胞加工物の輸送に関しても、専用容器を用いて温湿度管理並びにトレーサビリティーを確保した搬送に関する技術相談も承っております。

Ⅶ.教育・人材育成

MTR CPCのスタッフ並びに施設を利用する製造・品質検査に携わる作業者に対して、手順書に基づく教育訓練を実施しています。様々なニーズに対応できるように、常に最新技術へのスキルアップと共に、基礎研究者からの技術移転を強化しています。若手実務者の人材育成にも注力し、GMPエキスパートによる定期的な講習会並びに情報交換の場を提供しています。